後立山(長野) 布引山(2683m)、鹿島槍ヶ岳北峰(2842m)、鹿島槍ヶ岳南峰(2889.2m) 2022年10月15日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:49 大谷原−−2:42 西俣出会−−4:02 高千穂平(標識)−−5:00 冷乗越(県境稜線)−−5:10 冷池山荘−−5:18 テント場−−5:58 布引山−−6:32 鹿島槍ヶ岳南峰 −−6:54 鹿島槍ヶ岳北峰 7:21−−7:41 鹿島槍ヶ岳南峰 8:30−−8:49 布引山−−9:16 テント場−−9:20 冷池山荘−−9:30 冷乗越−−9:58 高千穂平(標識)−−10:34 西俣出会−−11:11 大谷原

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日22022年10月15日 日帰り
天候曇後晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場大谷原に駐車場あり。今年は橋を渡った対岸の駐車場も利用可能だがそれを知らない登山者が多い
登山道の有無あり
籔の有無7月に延びていた草は刈られていた
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント今シーズン最後の鹿島槍ヶ岳へ。気温は高めで先週の降雪も完全に消えて北峰へは安全に往復できた。好天に恵まれて夏山シーズンと変わらぬ賑わいだった


剱岳北方稜線と鹿島槍ヶ岳の影


大谷原駐車場(左岸側) 西俣出合の堰堤トンネル
オリオン座とおおいぬ座。露出4秒で撮影 冷乗越
冷池山荘 テント場
森林限界を超えた 布引山
雲の隙間から日が差す 鹿島槍ヶ岳南峰
鹿島槍ヶ岳南峰から見た西半分の展望(クリックで拡大)
鹿島槍ヶ岳南峰から見た東半分の展望(クリックで拡大)
鹿島槍ヶ岳南峰から見た奥秩父、八ヶ岳、富士山、南アルプス(クリックで拡大)
今回は鹿島槍ヶ岳北峰に向かう 鞍部には僅かに雪田が残る
縦走路を離れて北峰へ向かう 鹿島槍ヶ岳北峰
鹿島槍ヶ岳北峰から見た西半分の展望(クリックで拡大)
鹿島槍ヶ岳北峰から見た東半分の展望(クリックで拡大)
南峰に戻る 凍結すると通過が厄介な岩場
軽装の登山者が続々と北峰に向かう 最後の登り返し
鹿島槍ヶ岳南峰 鹿島槍北峰の人影
鹿島槍ヶ岳南峰から見た白山。立山の左側に見える 鹿島槍ヶ岳南峰から見た剱岳
鹿島槍ヶ岳南峰から見た冷池山荘 鹿島槍ヶ岳南峰から見た種池山荘
鹿島槍ヶ岳南峰から見た冷乗越と赤岩尾根上部 鹿島槍ヶ岳南峰から見た大谷原駐車場(右岸)
鹿島槍ヶ岳南峰から見た槍穂 鹿島槍ヶ岳南峰から見た富山平野
鹿島槍ヶ岳南峰から見た常念山脈〜穂高〜槍〜裏銀座(クリックで拡大)
鹿島槍ヶ岳南峰から見た中越〜尾瀬の山々。最遠は燧ヶ岳で約142km
下山時の南峰山頂 紅葉は中腹
山頂を振り返る 布引山
ウラシマツツジの紅葉 ミヤマキンバイの紅葉
ハクサンイチゲは紅葉が終わって枯れていた ミヤマダイコンソウの紅葉も色が抜けていた
布引山
布引山から見た360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
布引山の下り始め 稜線のダケカンバは紅葉せず枯れている
唐松の紅葉。まだ僅かに緑が残っている 稜線直下のダケカンバも枯れた茶色が混じる
一時的に森林限界を割る シラタマノキの実
まさかのミヤマキンポウゲの咲き残り。これ一輪のみ ミヤマキンバイの咲き残りはちらほら見られた
チングルマの紅葉 チングルマも最後は色が抜けるようだ
帰りのテント場。今日登ってきた人というよりこれから撤収のようだ
冷池山荘 冷池山荘の標識。私の足で大谷原まで約2時間だった
冷乗越から見た鹿島槍ヶ岳
冷乗越 上部のガレ
下部のガレ 本日最初に赤岩尾根ですれ違った登山者
赤岩尾根に入ってから晴れて暑い! 高千穂平を見下ろす
高千穂平(標識のあるピーク) 西俣出合の堰堤
西俣出合のコゴメグサ。まだ残っていたとは コゴメグサの花を拡大
林道脇のおそらくキジムシロ。こんな時期に咲いているとは狂い咲き? 林道周囲も紅葉が進む
工事中らしくゲートは開いて鎖がかかっていた 大谷原左岸側駐車場到着
山頂方面は雲に隠れるがおそらく雲海の雲だろう 大谷原右岸側駐車場


 今週末はそこそこ好天の予報で、気温は高めで直射日光が当たると暑いかもしれないくらい。今年は秋になっても高温の日が多く、なかなか季節が進まずアルプスの降雪も例年通り遅れ気味だ。先週降った雪は完全に消えてしまっただろう。

 雨の心配がなく長時間の行動が可能であり、今シーズン最後となるであろう鹿島槍に向かうことにした。南峰から北峰に向かう場合、南峰の急な下り区間の一番最後の岩場は凍結するとかなり厄介であり、おそらくここを安全に通過できるのはこれが最後であろう。いつものように最短コースの赤岩尾根から往復とした。

 金曜夜の大谷原駐車場には数台の車あり。金曜日に車があるのは珍しい方であるが、金曜日も好天だったので平日から入山している人がいて当然であろう。いつものように登山口に近い左岸側の駐車場へ駐車したが珍しく先客の車が1台あり。私と同じく地元ナンバーで駐車場の状況を良く知っているのだろう。夜でも気温は高めで酒を飲んでいると暑くなってドアを開放。もう虫がいないのでLEDの光で虫が集まることも無い。

 予報では明け方は曇りで時間経過と共に晴れるとのことであり、山頂到着は日の出の時刻より遅く計画して出発は午前2時、南峰到着時刻は午前7時とした。午前1時半前に起床し、火を使って暖かい朝飯を食ったが夜中も気温は高めだったので火を使わなくても大丈夫だったかもしれない。

 午前2時前に出発。上空は薄雲が出ているが星も見えているので予報よりはいいようだ。気温が高めなので半ズボンで歩き出そうかとも思ったが、予報では稜線の気温は+5,6℃くらいで風もあり、さすがに寒いだろうと長ズボンで出発。ただし下山時は暑くなりそうなのでザックの中に半ズボンを突っ込んだ。ただし山頂での休憩を考えて真冬並みの防寒装備も持つ。予報では平均風速で5,6m程度であり、気温と合わせれば体感温度は0℃前後が予想された。曇りでこの状態だとかなり寒いであろうと、念のために使い捨てカイロも持つことにした。

 林道歩きで体が温まり長袖を脱いで半袖に変身して歩き続ける。西俣出合で堰堤のトンネルで対岸へ移って赤岩尾根に取り付く。前回、ここを歩いた時は調子がイマイチで登りの途中で足が重かったが、今回は防寒装備の重さが加わっているのに快調である。先週の3連休は初日だけ山に入って2日間休養を取った影響があるのかもしれない。樹林の隙間から下界を見下ろしても他に登山者の光は見えなかった。

 高千穂平の標識があるピークからは稜線に光が見えたが、まだ冷池山荘は尾根の裏側で建物は見えないはずなので登山者の光に間違いない。頭上は雲が多いものの隙間も多くてオリオン座が見えていた。試しにデジカメのシャッター速度を最低(4秒)にしてカメラをザック上に置いて手振れ防止にセルフタイマーで撮影したら、いつもよりも多くの星が写っていた。でもその時の感度を確認したらISO400と思ったよりも低く、次回はマニュアル設定でもっと高感度にしてみるか(ノイズは増えるけど)。

 高千穂平を通過すると森林限界の様相が濃くなって時々北寄りの風が強まり寒さを感じるので軽い防寒装備を装着。でも気温そのものはこの時期にしては高めで0℃近辺よりはずっと高いのは確実だ。赤岩尾根最上部のガレのトラバースは霜は降りず安全に通過できた。ここで県境稜線に出て風が強まると予想されたのでさらに防寒装備を追加した。

 冷乗越到着。まだ真っ暗だが剱岳の稜線がシルエットで見えていて稜線に雲がかかっていないのが分かる。種池山荘の明かりと爺ヶ岳南峰付近に登山者のライトの光が見えていた。鹿島槍方向では布引山を登る光が見えた。稜線では思ったよりも風は強くはなく、追加した防寒装備では過剰すぎて暑くなり、途中で脱ぐことになった。

 冷池山荘前では数人の登山者の姿あり。小屋の中は暖かい光に満たされ、外にはストーブで使う灯油の燃焼する匂いがしていたの暖房しているようだ。気温は1桁まで下がっているので当然か。ちょっとばかり羨ましくなる。テント場でも動き出していて既にテントを畳んで出発直前の人もいた。この時点で徐々に明るくなり始めていたが、まだライトが必要が明るさであった。先行者の有無はライトの光で簡単に分かるが、一番近い人でも500m程度はありそうなほど離れていた。

 登山道が稜線東側を巻くように付けられた区間から稜線西に巻き替えると森林限界突破。この時点で時刻は午前5時35分で森林限界を超えた開けた場所でギリギリでライト不要な明るさになっていた。東の空は赤くなっているが雲が多くて日の出は見えそうになかった。

 ジグザグを切って高度を上げて布引山山頂に立つ頃には日の出の時刻を過ぎていたが、雲に隠れて太陽は顔を出さなかった。ここで軽装の2人を追い越すが、今日は調子がいいようでまだ疲労はほとんど感じない。さらに山頂到着までに軽装の1人を追い越した。ここまで追い越した3人は装備の軽さから考えて小屋から山頂往復だろう。もう姿が全く見えないずっと先を歩いている人は、おそらくキレット方面への縦走者だろう。

 山頂への最後の登りの途中で雲の切れ間から日が差して剱岳北方稜線に鹿島槍ヶ岳の双耳峰の影がくっきりと映ったので写真をパチリ。雲が多いのですぐに影は消えてしまった。残念ながら今回は奥日光の山々は雲に隠れて見ることはできなかった。

 鹿島槍ヶ岳南峰(山頂)に到着。まだ時刻が早いので先客は2人ほど。今回は体力的に余裕があるので北峰に足を延ばすことにして、山頂でパノラマ写真撮影だけして先に急ぐ。風向きは北寄りで山頂以降で風が強まって体感的に一気に寒くなったので、下りの途中で防寒装備を追加した。風がある影響か岩場に霜は下りていないので安全に通過できたが、先行して下っていたストックを持った軽装の男性は岩場は不慣れなようで、見ていて危なっかしい歩き方。ここではストックの出番はないだろう。道を譲られて追い越したが、あっという間に差が広がっていった。

 鞍部の南側では僅かに雪田が残っていたが、完全に消える前に寒さがやってくるだろうか。縦走路から分岐する北峰に向かう登山道に1人の姿あり。北峰山頂にはこの人の直後に到着した。

 約2ヵ月ぶりの北峰山頂。今回はここで360度パノラマ写真を撮影。これまでここでまともな写真を撮影していなかったので高解像度で撮影した。先着した男性は私と同じく長野市内在住で篠ノ井なのですぐ近くであった。まだ登山を初めて数年とのことで、長野県内の山がたくさん残っているので近場でもまだまだ楽しめそうだ。日差しが無くて写真写りがイマイチだが山頂標識を入れてスマホで記念写真を撮影した。

 しばらく立ち話してから南峰に戻る。この頃には逆に北峰に向かって下りてくる登山者とすれ違う。いずれも小さな荷物であり、キレット方面への縦走ではなく私と同じく北峰往復のようだった。

 南峰に戻ると往路よりも登山者の数は増えていた。でも私のような日帰り登山者はまだ到着していなかったであろう。いつも最初に到着する日帰り登山者はトレランナーと相場が決まっているが、まだその姿はなかった。風を避けながら休憩。まだ日差しは無いがこの時期としては気温は高めで、風が無いだけでも体感的には寒さは和らぎ、防寒のためにゴアを着る必要はなかったし、使い空いてカイロも出番は無かった。

 今日は空気の透明度は良好で、南アルプス深南部の中ノ尾根山がはっきりと見えていたし、立山の左側に白山も見えていた。奥日光の山々は雲に覆われて見えなかったが、尾瀬の至仏山、燧ヶ岳、平ヶ岳から越後三山の中ノ岳、越後駒ヶ岳は霞んではいたが見ることができた。

 50分ほどの休憩で下山開始。すれ違った人数は真夏の週末よりは人数は少し少ない程度で、今週末が小屋営業の最後であるが予約は満杯であろう。テント場はまだガラガラであり残っているテントは昨夜の幕営で、鹿島槍を往復している登山者のものだろう。明日まで好天予報なのでこれから登ってくる登山者でテント場も満杯になりそうだ。

 冷池山荘を通過して冷乗越へと登り返し、剱岳の展望に別れを告げて赤岩尾根に突入。これ以降は風も弱まるし高度が大きく落ちて気温が上がるため、登山靴を脱いで長ズボンから短パンに履き替える。この判断は正解で、赤岩尾根に入ってからは上空の雲が取れて晴れ渡り暑くなった。おかげで扇が大活躍。麦わら帽子があった方が良かった。それでも真夏よりは気温は低く湿気も少ないので、高千穂平を通過して樹林他の日陰に入ると涼しくて快適だった。でもたまに出現する日向は相変わらず暑かった。

 赤岩尾根ですれ違った登りの登山者は10数名。真夏のシーズンと比較してもそん色ない人数だった。背負子を背負ったボッカの男性もいた。冷池山荘への荷揚げは全てヘリで行っていると思ったが、今年はこのボッカの男性と2回すれ違った。

 西俣出合の堰堤通過は赤岩尾根に入ってから1時間強。林道終点の道端ではまだコゴメグサが咲いていた。それと共にミヤマキンバイそっくりの花も。高度的に考えればおそらくキジムシロだろう。これらの花も時期的に咲いているのが不思議なくらいで。もうおしまいだろう。林道沿いの紅葉も進んでいた。林道ですれ違った登山者は皆無だった。

 土曜日でも工事をやっているようでゲートは開いていて、代わりに施錠された鎖で車止めされていた。左岸側駐車場の車は増えていたが1台を除いて地元ナンバーの車。右岸側の駐車場でも地元ナンバーが目立った。鹿島槍は百名山なので車のナンバーは全国区であるが、今日は半分程度が地元の車であった。

 

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